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Posted by あしたさぬき.JP  at 

2023年05月06日

父の兵隊の記憶 2

昭和18年4月、いよいよ入団の日を迎える。

皆が旗を持って、水主神社まで送ってくれた。

木の階段に上がって、何人かが祝辞を述べ

自分も最後に挨拶をした。

「お国のために頑張ってきます!」


その後、自転車の後ろに乗せてもらい、三本松駅に向かった。

駅では、一緒に入団となった、大山のひろしさんも来ていて、

皆が万歳、万歳と言って送ってくれた。

その時、兵隊じいさん (昔、海軍で働いた人) が、行き方がわからない自分達を

長崎の佐世保まで一緒に行って、道案内してくれた。

家を出る時に持たせてくれた弁当の中に、ゆで卵がいっぱい入っていて

それ以来、ゆで卵はあまり好きでは無くなった。


佐世保には、四国、九州で一万人位集まった。


そこで分隊に分かれ、十八人ずつ十五班になって

三ヶ月間、新兵教育を受けた。

年の頃、二十歳位が多かった。

海軍ではあったが、陸軍の兵隊のような、

銃を担いで走ったり、射撃訓練をしたりした。

鉄砲で三百メートル先の的を狙っての実弾射撃や、

拳銃で三十メートル先の的を撃つ練習をした。

また、古い船で艦務実習をして、

陸でも、船でも戦えるように練習をした。


新兵教育中に、母が一度面会に来てくれたことがある。

この時も、兵隊じいさんが連れてきてくれた。

その時、母がくれたお金の五円を、

居住区の帽子缶に入れておいたが、

いつの間にか盗られて無くなっていた。

多分、没収されたのだと思う。

そのことは誰にも言えなかった。


三ヶ月の教育を終えて、各自行き先を割り当てられ、

鹿児島の航空隊へ行くことになった。

七月のことである。



写真は、父と兄妹会でのランチ、ハンバーグ定食です。












  


Posted by まこさく  at 17:38家族